Blue10のブログ

歯医者の豆知識を紹介します。

歯周病は防ぐことができない?

前回はむし歯の予防について書きましたが、その話を聞いた公演の中で歯周病についても興味深い話がありました。
歯を磨く習慣があまりなかった数十年前と現在でむし歯の数が増えているということを前回書きましたが、同時に歯周病についてのデータもとってありました。そしてその結果はむし歯と同様に現在のほうが歯周病にかかっている人の割合が多いのです。その理由として8020達成率が50%を超えていることからわかるように高齢者の歯が多く残っているということが挙げられます。以前は多くの人が歯周病で歯を失っており、全ての歯を失った人は歯周病ではなくなります。そのため高齢者の歯周病が減っていくということは納得がいきますが、比較的若い年齢層の歯周病の増加の理由はっきりとはわからないとのことでした。
このことから歯周病が重症化して抜けるということは減ってきたが、歯周病自体は増えている、そして歯周病には予防処置によって防げるものとそうでないものがあるのではないかということでした。病的なものでなくて加齢変化でも歯周病は生じるのではないか、そうでないと説明がつかないといった感じでした。
また加齢変化とは無縁の若年者の歯周病は数十年前に比べて顕著に増加しています。これは生活習慣病のようなものではないかと感じています。生活習慣病は以前は成人病と言われていましたが若年者に多く見られるようになったため生活習慣病と呼び方がかわりました。歯周病は歯ブラシだけでなく生活習慣に問題があると発生すると考えると若年層に増加が見られたことに納得がいく感じがします。
今後歯周病の予防は歯ブラシ、歯石の除去はもちろんですが、それだけでなく生活全般を見直すこと、という時代がくるかもしれません。