Blue10のブログ

歯医者の豆知識を紹介します。

金属の被せものはどのように作られているのか?

歯医者で治療をして金属の被せものや詰め物をしている人は少なくないと思います。型取りをしたあとどのようにして作られるか簡単に説明します。
まず型取りをしたものに歯科医院で石膏を流し込み模型を作ります。この模型を技工士さんが毎日取りに来るか郵送で届けます。模型を受け取った技工士さんはまず模型を調整して作業しやすいようにします。その模型上でワックスといってロウソクのロウのような材料を使って金属になる被せものや詰め物の形を作ります。ここが技工士さんの腕の見せどころです。出来上がったワックスを模型から取り外して特殊な石膏の中に埋め込みます。この石膏を歯科用の炉の中に入れてワックスを蒸発させ、石膏の中にワックスで作ったものの空洞を作ります。その空洞に溶かした金属を機械を使って一気に流し込みます。これが冷えると金属は完成するので、あとは石膏の中から取り出して研磨をすると口の中に入れられる状態となります。簡単に書きましたが少しは理解していただけましたでしょうか。一つ一つの工程に熟練した技術が必要となる大変な仕事だと思います。歯科治療には欠かすことの出来ないパートナなのでいつも感謝しながら治療をしています。

最近は3Dの技術が発達したため歯科業界でも使われています。一部の白い被せものは模型からスキャナーでデータを読み込み機械がブロックから削り出すものもあります。最先端の機械はは患者さんの口の中をカメラで読み込み、そのデータを技工所に送ると機械が削り出してくれるというものです。あまりにも高額で一般の歯科医院で導入するのはなかなか難しいです・・・。この技術がさらに進歩して歯科医院に普及すれば型取りをすることがなくなるかもしれません。