Blue10のブログ

歯医者の豆知識を紹介します。

歯ブラシをしてもむし歯は防げない?

前回の記事でおやつをやめてもむし歯の予防にはならないということを書きましたがこの記事ではさらに衝撃を受けたことを書きます。
みなさんはむし歯にならないように毎日数回歯を磨いていると思います。実はその歯磨きはむし歯の予防になっていないということなのです。この話を聞いたときに会場にいた歯科医師の先生たちは「えっ!?」となっていました。普段から当たり前のようにむし歯にならないように歯をしっか磨きましょうと指導しているからです。
日本人の過去50年間の歯ブラシの状況を集計すると現在は歯ブラシを1日に2回以上する人が大多数ですが、以前は1回以下という人が大半を占めていました。もし歯ブラシがむし歯の予防に効果があればむし歯は減っているはずですが驚いたことにむし歯がある人は現在のほうが多いのです。減っているのは子どもの虫歯だけだということです。
また給食後に歯ブラシを行っている学校と行っていない学校のむし歯保有者の割合のデータをとると差はみられないということもわかったそうです。
ではむし歯の予防には何をすればよいのでしょうか。
むし歯予防にはフッ化物の応用とシーラントしかないそうです。給食の後にフッ素洗口をしている学校はしていない学校に比べて虫歯保有者の割合が明らかに低くなっていることがわかったそうです。また歯磨き粉にフッ素が入っているものと入っていないものを比べたときにフッ素入りのものを使っている人のむし歯が少ないこともわかっているそうです。ただ歯磨き粉の使い方を守らないとフッ素の効果は低下してしまいます。イエテボリテクニックというのですが歯磨き粉は2cm出して全体をまんべんなく歯に塗る付けるように磨きます。磨いたら泡を吐き出して少量の水で数秒ゆすぐか全くゆすがないようにします。その後2時間は飲食を控えるのが効果的な使用法だそうです。やってみるとわかると思いますがまず歯磨き粉を2cm出せる歯ブラシを探すのは至難の技です。またあったとしても大きすぎて磨きにくいと思います。ただ1cmを2回に分けてつければこの問題は解消できます。しかしこの量で磨くと口の中が泡だらけになり、しかもゆすゆすいではいけないとなるとかなりの気持ち悪さです。試してみてください。
最も効果があるフッ素の使用法は洗口だそうです。年齢により決められた量を口に含みブクブクうがいを30秒してから吐き出し、やはり2時間は飲食を控えるという方法です。毎日法と週1回法がありますがどちらも効果は同じだそうです。大抵は寝る前にやると思うのですが歯を磨いて2時間してから洗口するとなると8時に寝る子どもは6時に夕食を食べ終わって歯を磨かないといけないことになります・・・。
歯ブラシにはむし歯の予防効果はないと前述しましたが、それならば歯ブラシはする必要がないのでしょうか。そんなことはなく歯茎の炎症を予防する効果はあるのでしっかり磨くのは必要ということでした。

どんなデータを出されてもなかなか納得のできる話ではありませんでしたがその道の第一人者て言われる先生のお話だったのでありがたく聞いていました。ただ歯ブラシは今まで通りきっちりやろうとは思います。