Blue10のブログ

歯医者の豆知識を紹介します。

歯を抜いたところには差し歯を入れる?

記事のタイトルを見ておかしいと思う人が多いと思いますが、その人たちは正解です。ただ診療をしていると意外と理解されていないことだということが分かりました。
特に多いのが抜かなくてはいけない歯があるときの説明をしているときに「歯を抜いてしまったらそこに差し歯を入れるんですか」と質問されることです。ほかにも「今日はブリッジを入れ忘れて家に置いてきてしまった」「ブリッジが合わないので作り直して欲しい」ということも度々あります。
この記事では差し歯、被せ物、詰め物、ブリッジ、入れ歯、インプラントとはどのようなものか説明します。

被せ物:歯をぐるっと削って全体に被せるように入れるものです。神経を残したまま被せることもありますが、多くは神経を取った後の歯に入れます。神経を取った後に入れる場合は土台を立ててからその上に被せます。保険の治療では奥歯には全て金属のいわゆる銀歯を入れることが多く、前歯は金属の冠の表だけを白い材料で覆ったものを入れることが多いです。

差し歯:差し歯というのは実は被せ物に含まれます。もともと神経が入っていた管に神経の治療をした後に金属のピンを差し込んで土台を支えるため差し歯と言われます。前歯のイメージが強いかもしれませんが奥歯も土台を支えるために金属のピンを差し込んでいるので差し歯といえば差し歯なのです。ただその形態から奥歯は差し込むというような感じではないので奥歯は被せ物、前歯は差し歯と言われているような感じがします。
冒頭で書いたように歯を抜いてしまったら次は差し歯ですか?という問いへの答えはNOです。残っている歯に土台を支えるピンを差し込むので歯を抜いてしまったら差し歯はできないのです。また、ピンを差し込むということはインプラントということですか?と聞かれることもありますがこれもNOです。インプラント歯はではなくて歯がなくなった後の骨にピン(ネジ)を立てます。

詰め物:詰め物は比較的小さなむし歯を埋めるときに選択されます。詰める部分や大きさによって金属や白い詰め物でやるかを決めます。奥歯の力がかかる部分でその範囲が大きいときは金属にすることが多いです。前歯は基本的には白いもので詰めます。

ブリッジ:歯がなくなってしまった後にその両隣の歯をぐるっと削って3本繋がったもの(なくなった本数によりもっと長くなることはあります)を入れるというものです。両隣の歯を橋桁にして金属の橋を架けるような感じです。セメントで着けるものなので自分で取り外すことはできません。そのため外して家に忘れてくるということはありません。忘れてくる、合わないというのは入れ歯のことです。

入れ歯:歯のなくなったところにプラスチックの歯を入れて残っている歯にバネをかけて維持するものです。歯が1本もない場合はバネのない総入れ歯になります。大きな入れ歯ではなく数本の小さな入れ歯のことをブリッジと呼ぶ人が多いように感じます。入れ歯は大きくても小さくても入れ歯です。

インプラント:歯のなくなってしまったところの骨にチタンのネジを埋め込み、それを支えに歯を立てるというものです。前述したように骨ではなく残っている歯にピンを立てるのは差し歯です。インプラントは保険がきかないため何の説明もなく選択される治療ではありません。

多くの人はわかっていることかもしれませんが、知らなかったことや勘違いしていたところがあればここで理解していただければと思います。