Blue10のブログ

歯医者の豆知識を紹介します。

妊娠中に歯科治療はできるか?

妊娠中に歯の治療はできるのかというと基本的にはできます。ただ大きな外科処置は抗生剤や痛み止めが必要になることがあるので緊急でなければなるべくしないようにしています。いわゆる安定期に行うのがおすすめとされていますがもちろん初期でも臨月に入っていても可能です。また安定期と言っても普通の人と同じように対応していいというわけではなく母体と胎児に負担が掛からないように細心の注意を払う必要があります。余談ですが医科では細心の注意が必要なため妊婦加算というものがあり妊婦さんは3割負担の人だと数百円多くかかります。歯科では細心の注意をしながら治療しますが妊婦加算が認められていないためかかりません。


妊娠すると体にいろいろな変化がありますが口の中にも変化が出やすいです。まずつわりが激しい人は歯ブラシができなくなり歯茎の炎症、むし歯ができやすくなります。つわりが治まっている時間帯に歯ブラシをして、つわりが治まったらむし歯の処置をすることが多いです。またきれいにしていても妊娠期特有の歯肉炎になる人もいます。また歯茎にできものができモリモリと盛り上がったようになることもあります。これらのものは出産すると自然に治ることがほとんどなので経過をみることが多いです。

 

妊娠中の歯周炎が早産に影響しているということがわかっており妊婦さんの口腔内の管理には力を入れている行政も多く妊婦歯科教室や妊婦歯科検診を行っているところもあります。またそこでは妊娠中だけでなく出産後も育児で忙しくなってしまい自分の歯ブラシがおろそかになり口腔内の状態が悪くなる人が多いという話もあるかもしれません。
小さい頃はお母さんといる時間が圧倒的に長いので口の中の環境もお母さんに似る傾向があります。育児はもちろん大切ですが自分の口の中の管理も忘れないようにしてください。

最近の研究では妊娠してから口腔内の状態を良くしても早産のリスクは下げられず、妊娠初期の段階で決まるとも言われ始めています。つまり妊娠の有無にかかわらず口腔内はいつも良い状態にしておくのが大切です。